RKBラジオ ホリデースペシャル
「愛を語ろうハートフルトーク」
2000年2月11日(祝) 13:00〜17:00
林田スマ
スティーヴ・フォックス

【レポーター:ふゆこ】  

ハワイは今、摂氏20度位の冬というスティーヴ、しかし、彼の来日直前に日本を襲っていた寒波は彼にも影響を与えたらしく、通常8時間でつくはずの飛行機が、強い向かい風のため大きく南に迂回して10時間もかかって福岡へ到着したとのこと。

スマさん:アメリカのオジさんと日本のオバさんの代表として、4時間、愛を語ってまいりましょう。
スティーヴ:ぼくは4時間もの生放送は初めて、長くても30分だから。
世界人のことか?と誰かのつっこみが入るスタジオ外の声は聞こえているはずもなし。

【1.愛って?】(勝手なタイトル付byわたし)

まずは一曲、ビートルズの”All My Loving”

昨年の(スティーヴにとっては)20年ぶりのゴダイゴ復活、ライブ会場に集まったファンの年齢層の広さがその年月を物語っていたはず。 スティーヴ:20年前と同じ”おっかけ”が来ていたんですよ。

世界人の放送からハワイに話題がふられて、世界人でお馴染みのマキ・コニクソンさんが電話で登場。

日本とアメリカのバレンタインデー(テーマ:愛ですから)の違いは?
マキ:日本は女性−チョコレート→男性、アメリカは男性−プレゼント(花やジュエリー)→女性
だから、「今年は何をもらえるのかしら」と期待するだけで、だんなには何もしません。
スティーヴ:日本の習慣にびっくりした。20年前にどっさりチョコレートもらいましたから(笑)。
インターナショナルスクールに通っていた頃は男女関係無く、クラスの全員にカードを贈っていた。だから、30人いれば30枚のカードを書き、30枚のカードをもらっていた。(→29枚だ、正確には)
今年はもうチョコレート1つもらいましたヨ。

アメリカでは、若者の間では愛というよりフレンドシップとしてのカードの交換、大人の間では男性から女性へのプレゼントが行われたり、夫婦でnice dinnerに行ったりするそうです。

マキ:アメリカの若者はお金を使わずに、ビーチへ行ったりサンセットを見たりして2人で愛をわかちあいます。ハワイには日本の若いカップルもたくさん来ていますが、最近はずいぶんオープンになってきましたね。若者を見ていると日本の流れがわかります。

さて、マキさんにさよならしてのスティーヴの最初の一言:「スマさん、I Love You」
スマさんは何に愛されているという実感を感じますか?
人が愛を感じるには5つの違った形があるんです、という話へのふりでした。

1 Quality Timeをもつこと
思いやり・コミュニケーション・言葉等を含めて、一緒にいい時間(Quality Time)を持つこと。

2 おみやげ(プレゼント)をもらうこと(スティーヴはこれが好き)
人からもらっても嬉しいし、人に愛を表すときに物をあげる。
スティーヴの奥様はこれから愛を感じないというエピソード:
スティーヴ:10年前のバレンタインデーに、10本の茎の長いばらを贈ったところ、奥様は「返してきなさい、高いんだからもったいない」といわれた。

3 いたわり
ミミさんは、2のプレゼントより、スティーヴが皿洗いをしてあげたり、子供の世話をしてあげたりしてあげることの方に愛を感じるそうです。

4 スキンシップ(スティーヴはこれは嫌い)
簡単にいうとSEX。日本的には、何にもしないでただ一緒にいること、たとえば一緒にテレビを見ていたり。

5 励ましの言葉
相手をほめること。

これを知っていれば、相手にとってどの表現方法が一番愛を感じるのかを探ることができます。まずは自分が受身の場合にあてはまるものから試してみましょう。

ここで一曲。TPO”クリスマス・プロミス”
スティーヴ:クリスマスの曲だけど、特に結婚が決まった人にはいいメッセージがこめられた曲です。

【2.イタリアでの愛の形】

イタリア在住ジャーナリスト にいつたかおさんが電話で登場。

バレンタインデーに関しては、商業都市ミラノでは多少、店頭に関連商品が見られるが、普通の人たちにとってはピンとこないイベントとのこと。

ステレオタイプでよく言われるイタリア人=情熱的は正しい、でも以外にイタリア人は保守的。

恋人:ラガット(男性)・ラガッタ(女性) ボーイフレンド・ガールフレンド、ステディな恋人程度。

婚約者:フィザンダート(男性)・フィザンダータ(女性) 英語のフィアンセ
このフィザンダメントと呼ばれる習慣は、双方の両親公認で、結婚する前に実験的に二人を一緒に住まわせ、二人だけの力で生活をさせる、というもの。もともとカソリックの国なので、10数年前までは離婚は法律で禁止されていたし、結婚したら離婚しない、という保守的な国民性の現れた制度。

それにもかかわらず、離婚率は社会問題となるほど増えている。少子化も進み(0.7人/1女性)、2050年には世界市の高齢国となるといわれている。
そのため、現在の高度な福利厚生も見なおしされているそうです。
愛は結婚だけではない、ということでした。

【3.愛→人の命〜臓器移植】

去年のゴダイゴコンサートで臓器移植の意思表示カードを配ったスティーヴ、アメリカでは免許証を取るときに必ず聞かれる項目で、免許証にORGAN DONERかどうかが印刷されています(と、本物の彼の免許証を出して見せていました。もちろん、金魚バチからはっきりみえるはずもなく・・・・)

ゲスト:福岡赤十字病院 副院長 兼 日本臓器移植ネットワーク 九州沖縄ブロックセンター長 ふじみさとる先生

[日本の臓器移植の状況]
〜平成7年:医療側が中心に動いていた。移植医・患者・提供者間での話合いで移植決定。
従って、全国的に盛んなところ・盛んでないところがあり、公平性に欠けていた。
平成7年:上記の経過を受け、提供された臓器を日本で一番最適な人へ提供できるよう、決定権を臓器移植ネットワークが一元管理することに。ここを通さないと違法。

[現状]
1989年には移植例は266例あったのが、平成7年〜現在は160〜180/年 と減っている。
一方、臓器提供を待っている人は、腎臓で13,000人。つまり実際に移植が行われたのは1/100くらい。
他に心臓と肝臓で各30人待っている人がいる。

[日本の臓器移植の問題点]
移植医療は「提供者が必要」
・脳死に対する不信感
・亡くなった方の体を傷つけることに対する罪悪感・道徳観(儒教の影響)
だから、反対であれば価値観の違いだからそれはそれで構わない。
一人一人が正しく理解することが大切、ということでしょう。

[外国で移植を受けた方のお話]
オーストラリアで10ヶ月滞在して移植を受けた女の子へのインタビュー。
現地では7ヶ月待ったが、現在は月1度の診察のみで元気に生活しているとのこと。

このような方は幸運な方で、外国へ行けない方たちのためにも、同じような制度が日本にあれば、とのメッセージがこめられていました。

[意思表示カード]
ゲスト キリンビール まつなみさん
1994年から企業活動として、キリンフェスティバルで意思表示カードを配布し、活動を支援している。
当時に比べて現在は、カードを持ちかえってくれる方が増えたとのこと。

このカード、アメリカの免許証とは異なり、NOの意思表示もできる。
公文書扱いなので、少しでも記入方法に不備があれば有効とされない。
15歳以上が持てる。
本人の意思だけでなく、家族の承認が必要(サインする欄がある)。

脳死法案が通って以来現在までの間、移植につながらなかった意思表示カード例は169件ある。
法案通過当初は月1〜2件程度だったのが、昨年2月末の高知での移植例以降増え、月10件(12月は15件)くらいになっている。
この169件中130件は、心停止後に連絡があったもの。→本人の意思は活かされなかった。
この原因が、
・家族が本人のカード保持を知らなかった。または、医師に見せなかった。
・脳死を扱う医療側の9割は、家族に対してカード保持を尋ねることはない。→家族からの提供があって初めて移植への行動をとる。

つまり、移植がなりたつには、
・脳死判定
・本人の(賛成の)意思表示カード保持
・家族の同意
が必要だということです。
だから、家族の中での話合いも必要だとのこと。

[最後に]
みんな自分は大丈夫だろう、と思ってる(うん、思ってる確かに・・・)が、その立場になったときには果たしてどうだろうか。
スティーヴの聖書からの引用:自分の友のために自分の身をささげることほど高い愛はない

賛成・反対にしろ、正しく知ることは大切だと思いました。

【4.私が愛を感じたとき】

ゲスト:あべやすみさん (RKBではお馴染みのパーソナリティ。スティーヴとはお友達)

[親子の愛]
自分の子は可愛い!(スマさん、あべさんの二人がいたく同意)
これに対してスティーヴの難問1:子供って親の愛に頼ってるでしょ。いいことをすれば親は愛してくれるけど、いい子じゃなかったら愛されてない、と子供は思ってる。後者のような環境で育てられる子供ってどうなる?

子供は愛されてるのかしら?と疑問を抱くもの。だから、たまには言葉で言ってあげなければいけない。
あべさんはお子さんが小さい頃、「おまえはおれの宝やから」、と言っていたそう。

スティーヴの難問2:高校生くらいになって反抗して、いい成績も持ってこなかったり、茶髪になったり、へんな男とつきあったりしたら、どうする?

グレかけからたちなおらせるとき、父親の存在は大切だが、日本の父親は概して無関心。

スティーヴ:自分も13歳で父親を無くし、おやじ不足の状態で育った→不良になった。
愛を求めていたけど得られなくて、別のところにはけ口をもとめていった。
にもかかわらず!!
ゴダイゴの絶頂期(もう何百年も前の話だけど)、隣のうちに住んでいた、当時6歳の女の子がよく遊びに来ていた。でも、ゴダイゴで忙しく、引越さねばならず、それっきりになっていた。
その後、10数年前、東京で、明らかによくない仕事しているような格好をした女の子が自分に向かって泣きながら近づいてきた。19歳になった彼女だった。そして、スティーヴに向かって「やっと見つけた、私のパパ、ずっと探してた」。
彼女は離婚した家庭で親戚を転々としたりして、父親なしに育っていた子だった。
そして、その1年後、彼女が高層ビルから飛び降りて自殺したという知らせが入ってきた。
彼女は、スティーヴの名前・電話番号が書かれた紙を持っており、それには、「ただただパパが欲しかったんだよ」と書かれていた。
(Who am I?に載っている逸話です。)
これを聞いたとき、壁にズカーンと頭がぶつかったみたいにショックだった。父親不足は自分も同じだったのに、この子を助けられなかった。

ゴダイゴ”She Needs Her Daddy”
「心のチキンスープ」という本より:母の愛は不可能を認めない
父・母の与えてあげられる愛の形は違う。例えば、子供が怪我をしたとき、
母:いたいのいたいの飛んで行け〜。
父:がまんせい!
だから、お互いのバランスが大切。
男は意地っ張りだから、例えば、家には帰ってこないけど、びしっと家族のために生活費を稼いでいる!というのが愛という形もあるだろう。

[夫婦の愛]
ふうふってどうしてふうふっていうの?というスティーヴの疑問。結婚するとふうふういっちゃうから、だと思っていたとのこと。
だじゃれか?とつっこまれながらも、スマさん、あべさんも納得する展開。

あべさん(敗れ去った愛担当:ご本人談)いわく、夫婦は一生連れそうのが理想だと思う、ただ、自分はそれができなかった。
アメリカでは、だんなが皿洗い、だんなが奥さんに仕える。好きな女性のために尽くしてやろう。
日本では、結婚した途端に、お互いにまず呼び方が変わり、態度も言葉もかわってしまう。

あべさんの疑問:映画で、別れた元ご主人が来るとき、現在の彼氏(ご主人)に外出していてもらう、というシチュエーションが信じられない。
アメリカでは当たり前のことになぜ?と疑問をいだくスティーヴ、憎しみややきもちで、「なにー!別れただんなが来るだとー!!」と説明されて納得した様子。これは子供のためにそうしているからだろうとのことです。

天神(福岡市の繁華街)より1家族が紹介されました。お子様たちの誕生日には市販のケーキなのに、ご主人のときだけ手作りケーキだそうで、こんなとき、ご主人は奥様の愛を感じるのだそうです。結婚記念日にはお子様たちがレストランを予約して連れていってくれる、という理想的なご家族でした。
他、インタビューしたご夫婦で一番多かったのが、お互いに病気の時、心配して声をかけてくれることに愛を感じるのだそうです。

ここで一曲:Dreams Come True”Love Love Love”
・・・とスティーヴが紹介すると、外(=私たちだ!)も中も「かっこいーーー」と大歓声。

あべさんの、夫婦喧嘩したときも、言ってはいけないことは言わず、それに相手が気づけば理解しあえるだろう、という言葉で夫婦の愛を締めくくりました。

【5.浅野さん登場】

またまたスティーブの紹介「My good friend, Takami Asano from GODIEGO」
浅野さん:Thank you!
あべさん:プロレスラーか?

浅野さん:スティーヴとは兄弟のよう。家族よりも一緒に過ごした時間が長いから、いいところも悪いところも理解しあっている。
スティーヴ:75年くらい知ってるかな?
浅野さん:20〜25年くらい。(脱線スティーヴを戻す戻す)
あべさん:ゴダイゴのメンバの中でも2人があうの?
浅野さん:2人が野球のキャッチャーみたいに守るところだから、他のメンバが騒いでいても2人はおとなしくガードにまわっている。

[男の友情・女の友情]
女性同士だと、競争心が生まれやすい。
浅野さん:(男性同士は)全く違うからお互いに認めちゃう。
あべさん:こいつ大丈夫かなぁ、と思いながらも、なにかやりたいならやってみー、と励ます。失敗したときいにメシ食わさないなんなー、と心配しながらも。

ゴダイゴの仲間では音楽という共通項があるでしょ。
スティーヴも浅野さんも演奏する方だから、音を通じて会話する。音で体調がわかるから、今日は調子よさそうだな、じゃあオレも頑張るか、とか、調子悪いときは頼むよ、という感じ。

ゴダイゴ”Nice to See You Once More”
この曲は浅野さんが作曲した時点では詞がついていなかったので、タケに依頼したところ、トミーと一緒に書こうということになってFAXとインタネットでのやりとりを経てできたとのこと。
スティーヴがとてもいい詞がついていると言っていました。

愛についてのお便りの紹介後、スティーヴの話。
自分は内心日本人だということに気づいたのはアメリカ人と結婚してから。母親が日本人だから、母親から得られていたものを求めていたが、それがアメリカ人の奥様から得られず、フラストレーションを感じ、疑問を持った。
それが、相手はアメリカ人なのだ、と理解すると解放された。彼女をありのままに受け入れられるようになった。
あべさんつっこみ:僕はそれをなおそうとしたのがいけなかった。
スティーヴ:ぼくもなおそうとしたけど、それは無理。でも、結婚したんだから。奥さん側もそれは同じで、結婚して後で、日本人と結婚したんだと気づいたらしい。
あべさん:今スティーヴいいこといったね、結婚したんだから、って。
スティーヴ:約束したし決心したから。
あべさん:決心しなおそうと思わなかった。
スティーヴ:同じ人と再婚もできるんだよ!

[女性・男性]
女性も最近変わってきた。外に出るようになってきたし、女性同士のネットワークも広がり、お互いに認め合うようになってきた。
夫婦でも、二人が納得すれば女性が働き主夫もありえる。

浅野さん:男女ではなく、人としてどう生きていくかが大切だと思う。
スティーブ愛を説く:愛は忍耐強い。愛は情け深い。愛はねたまない。自慢せず、高ぶらない。愛は礼儀正しくする。自分の利益を求めず、恨みを抱かず、不義を喜ばず、真実を喜ぶ。全てを耐え忍び、全てを信じ全てを望み全てを耐える。
(コリント人への第一の手紙13章4節〜7節)
この通りに生きられたら平和になるよ。

Celine Dion”My Heart Will Go On”

あべさん:自分に関係のあることで一生懸命で、自分のことばかり考えていた。
スマさん:周りまで愛のおすそ分けする余裕がなかった、でも自分だけじゃいけない。

浅野さん:ボク、愛多き男としましては、全てに対して平等というのが愛と思う。自分は愛を音で表現したい。音楽は人を悲しませることも喜ばせることもできるから。目に見えない・さわれない、でも心に残るから。
(浅野さん、あなたは詩人です!!)

スティーヴ:愛は命かけてやること。
人を許すのは、自分の中の何かを曲げなければならないから難しい。好きな人は許せても、嫌いな人を許すのはとても難しい。
夫婦がうまくやっていくには、その許すための力をどこからもってくるか。だから命かけて愛そう、どんなに憎たらしくても自分は捨てて愛そう、というのが大切。
あべさん:スティーヴ、それを3年前に言っておいてくれたら…
【6.Momo Can Doの紹介】

最後に3月2日より始まるMomo Can Doの紹介があって4時間の生放送が終わりました。


かなり省略してますが、そこここに、愛につなげるスマさんの一言あり、スティーヴをゴダイゴ男前組担当にしてみたり、ご自分を破れた愛担当にしてみたりと担当作りに精を出すあべさんの、場を和やかにさせる言葉ありでした。
4時間、終わってみるとあっという間、CM中にはあべさんを中心に私達の相手もしてくださって(言葉はなくても→聞こえなくても、コミュニケーションは成り立つ!)とても楽しかったです。




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