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(ラーフオフ会報バックナンバーVol.28より)

『浅野音楽館』Vol.1

【ギターとキーボードの音楽的表現の違い】


まずギターだが直接、弦に触れる為に表現力では勝っている様に思えるが、
音数では両手で同時発音数(指の数)の多い、キーボードの方が勝っている。
だが鍵盤からテコの応用でハンマーが弦を叩くまでに、若干のタイムラグがある様で、
プレーヤーは、それを体で感じ、ほんの少し早めにキーと叩いている様だ。
それを巧みに使い表現を豊かにしている。

ギターでは直接弦をこすったり、叩いたり、つまんだりと多種多様の表現を出す事ができる。
それらを使い、新しいタイプの音楽ジャンルがいくつもでてきた。
この奏法はまだまだ進化して行くだろう。
その中でも最近、一番注目されているのが、ライトハンド奏法で、
ギタープレーヤーで多少の違いはあるが、それぞれが個性を持ち独特のニュアンスを出している。
最も最近では、それらの奏法をも超える素晴らしいテクニックを使っているギターリストも数人いる。
代表的なプレーヤーは、アラン・ホールドワースや、スタンリー・ジョーダン等がいて、
他にも次々にでてきている。

キーボードプレーヤーでもテクニックを前に出している者や、楽器の音色で勝負する者や、
作品のアレンジや、雰囲気で攻めてくる者など、ギタープレーヤーとは少し違い、
全体的な音楽のバランスで聴かせる者が多い。
楽器の進化と共に音質、音色も変わってきていて、シンセサイザー等は、
電子楽器の最先端の技術を使い、頭にイメージする音はほとんど作れてしまう楽器、
というより、コンピューターに近い機械である。
それを使い幻想的な音楽を作曲しているのが、富田勲氏やキタロー氏等がいる。
ここで初めて、コンピュータミュージックの恩恵を受けるのだが、
今回はこれには触れずに話を戻すが、今まで困難であった音色を使っての音楽が可能になってきた。

例えば、犬の鳴き声を使い、メロディーに音程を付けて演奏したい場合は、
今と昔では全然考え方が違い、何匹もの犬をスタジオに連れて来て、
一匹づつ違う声の犬を鳴かせて、一曲を仕上げるのには、とても大変な努力がいるが、
今では技術の進歩で、いとも簡単に演奏できてしまう。
種明かしをすると、サンプラーなる楽器があり、一度だけ犬を鳴かせ、それを楽器の中に録音し、
その音の波形をデジタル処理し、音程をつけて、あとは鍵盤を弾けば、それで完成する。
これを応用すれば、どんな音でも音楽で使える事になる。

今まで奏法が難しいとされていた楽器でも、音さえあれば、簡単に鍵盤で弾けてしまう。
最近ではシンセギターでも利用できる様になり、もっと複雑な事もできる様になってきた。
だが残念な事に、それに見合う名曲を作曲できる音楽家が少なくなって来た事だ。
我々もこれからガンバラなくてはならない。
名曲を作曲しよう。
△S△NO
1990.08.13



VOL2



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